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いのうえ歌舞伎・壊【Punk】「蜉蝣峠(かげろうとうげ)」感想(ネタバレ含) [舞台]

これも一ヶ月経ってしまいました。
はやいなあ…。
連休最終日、5月6日に観てきました。

すでに大楽も終わっていますので
基本ネタバレ解禁で書いてみます。







いのうえ歌舞伎・壊【Punk】
蜉蝣峠(かげろうとうげ)
2009.05.06.(水・休)
@大阪・梅田芸術劇場メインホール

【キャスト】※敬称略、パンフレット参照。
闇太郎………古田新太
天晴…………堤 真一
お泪…………高岡早紀

銀之助………勝池 涼
サルキジ、おるい…木村 了

がめ吉………梶原 善

流石先生……粟根まこと
お寸…………高田聖子
立派の親分…橋本じゅん 他

【あらすじ】
名前以外の過去の記憶を持たず
「誰か」を蜉蝣峠で待ち続ける闇太郎(古田新太)。

ある日通りすがった元役者の銀之助(勝池 涼)と
ひょんなことから連れ立って
一緒に峠を下りることに。

二人が立ち寄ったのは「ろまん街」。
ろまんとは名ばかりの
「立派組」と「天晴組」の極道が対立する荒れた宿場町。
ここでは25年前、正体不明の殺人鬼による
大虐殺が起こったところ。
二つの組の対決も、もとをたどれば
大虐殺で死んだ親分の跡目争い。
そこで闇太郎は
いまは天晴(堤 真一)に囲われる
幼馴染だというお泪(高岡早紀)、
25年前に闇太郎を助けたという
大虐殺の目撃者、今は盲目の飯屋の主人
がめ吉(梶原 善)と出逢う。





感想…
「エンターテイメントだ!」でした。
…まとめすぎですか。
でもまずそれが浮かびました。

そして軍鶏最高。←二言目がこれか( ̄▽ ̄;)
殺陣が流石。

テンポはすっごい良かったし、
一度で話ものみこめました。
ほどよい緊張感と、少しの笑いと。

古田さんの闇太郎はかっこよく情けなく
そしてかなしく。
彼は、本当はどうしたかったのだろうか。
母がいれば、それでよかったのだろうか。
闇太郎、人間らしいといえばそうなのだけれど
少しつかみきれなかった感じもします。

堤さんの天晴は、面白くかっこよく凛としてて
かっこよく。←あえて二回。
天晴もいまいちつかめなかったかも。
どうも「堤さん」として見てしまいがちでした。

高岡さんのお泪はかわいかった。そしてしなやか。
ただひたすらに愚かであるのかもしれないけれど
でも生きているひと、と感じました。

勝地さんの銀之助はなんとも色気がありました。
艶やかでしなやかで。
でも彼が終盤にとった行動はいまいち理解ができて
なかったり。衝動的なのでしょうけれど。
彼は後悔をしたのだろうか。
忘れ去っていくのだろうか。
そんなことを思いました。

梶原さんのがめ吉はしっかりとした存在感。
パンフ見てなかったら
気づかなかったかもしれないけれど( ̄▽ ̄;)
最後の行動がちょっと唐突で、
それなんかよ?!と思ったりもしました。

高田さんのお寸はやっぱり素敵。
姐さんが似合いすぎるほどに似合います。
何度も裏切ったりまた戻ったり。強烈な女性なんだけれど、
どこかにくめないような感じです。

橋本さんの立派の親分もかっこよくて情けなくて。
でもつぼは押さえていて。
お寸との夫婦のバランスが良い感じです。

粟根さんの流石先生もしゅてき。
ちょっと情けないけれど、面白い用心棒先生。

そして、木村さんのサルキジ。
この子がなんかいちばんかわいそうっぽい…。
というか名前がすげえ( ̄▽ ̄;)女の子なのにねえ
銀之助とのすれ違いっぷりが哀しかったです。


冒頭の軍鶏場面が、
演劇を知っている人向けの内輪ねたで、
正直だらだらしてたように感じたり
この場面ってなくてもいいんぢゃね?とまで
思ったのだけれど、でも楽しかったです。
全体からすると異質な部分ではあるのだけれど。
個人的にはこの場面も好き。
軍鶏な堤さんも素敵です。

話全体としては、なにかせつない。
あとひとつ、何かが届かないもどかしさ。

映像や音楽を取り混ぜた演出で、
緩急ついて飽きさせないそのテンポのよさ。
休憩20分をはさんでの二幕約二時間半を
ほとんど感じさせないのは
正直すごいと思いました。

たしかに生の迫力もあって、
存分に完成されているし。
すんごい楽しく観ていたし。
もちろん、チケット代金に見合う分は
確実に楽しんできたと言えるのですが。
悪人とも善人とも言い切れない
「人間」のかたちが確かにそこに生きていたのだけど。

けれど正直、ちょっと私の中には
あまり残らなかったようにも感じてます。

なんだろうなあ。
登場人物に対して感情を入れる余地が少なかったからか…。
ひとまず、劇場での観劇は一回で満足しちゃいました。
でも、いいもの観た!という思いはあります。
自然と拍手が出るくらいに。
んー。でもなんだろう。
よかったー!きゃー!にならなかったな。
私が受け止められなかっただけなのかな。

でも、面白かった。それは確か。
殺陣とか振り付けも好きだわーと思って
パンフをよく見たら

殺陣指導が、
川尻茂一さん&前田悟さん&川原正嗣さん。
振付が川崎悦子さん。

好きと思ったところに、
知っているお名前を見つけると
無性に嬉しくなります。

舞台の感じも好きだったので
舞台監督さんと美術さんの名前も覚えとこっと(*´艸`)

次回も観にいきたい!と思いましたし
もう一度観たいなあとは思うのですが
んー。。ちょっと複雑な印象をもちました。
でも、ほんと殺陣場面は
まばたきをもったいなく思うくらいによかった。
あの完成度と、殺陣の場面。
映像と音楽を効果的に使った演出。
各役者さんの生の演技の迫力。
そのあたりだけでもモトはとってきました。

そういや、クドカンこと宮藤官九郎さんの
舞台の作品を観るのは初めてだったかも。
テレビでの脚本の仕事は何作か知っていたのですが。
テンポがよくて、ほどよく笑えるような雰囲気は
宮藤さん由来なのかなあ?
かなり視覚的な効果を使っていたので
どちらかというと映像向きなのかなとも
思ってみたり。
DVDになったら改めてじっくり観てみたいなあと思います。

…あ、観劇マナーびみょんな方がまじってたから
印象わるくなったのかな( ̄▽ ̄;)
携帯は鳴らなかったけど、
開演直後のおしゃべりが結構声高な方多数。
芝居が進むと、迫力に押されるのか
次第に静まってはいきましたが…。
まあ、堤さんとか高岡さんとか出ていたから、
しょうがないのかなあ…?
そこはやはりちょっと残念でした。

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