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【ブログライター感想】演劇集団キャラメルボックス「容疑者Xの献身」【ネタバレ注意!】 [舞台]

演劇集団キャラメルボックス
2009スプリングツアー
「容疑者Xの献身」
2009.4.21(火)19:00START
@新神戸オリエンタル劇場

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私が長年観にいっている
「演劇集団キャラメルボックス」で恒例となっている
ブログライターという企画に
参加させていただきました。
昨年の冬公演以来、2回目の挑戦です。

ブログライターというのは
SNSに日記を書いていたりブログをもっている方に
公演を観た感想をアップする約束の代わり、
公演に無料で招待の上、
終演後、演出家や出演者といった方々に
直接インタビューもさせていただける企画です。

もちろん、宣伝の一環ではありますが
思ったままを書いていいということなので
お言葉に甘えて、思うように書いています。

そして今回、原作が有名ということもあり
ネタバレに配慮しないのもアリかなと思って
あえてネタバレに考慮することをやめました。
観るまで内容を知りたくないという方は、
できたら観劇後にご覧ください。

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【公式HP】
PC版/http://www.caramelbox.com/
携帯版/http://www.caramelbox.com/k/
↑PCからなら、記者会見の様子やスポットCMも見られます。

【あらすじ】※()内キャスト名は敬称略

「これほど深い愛情に、これまで出会ったことがなかった。
いやそもそも、この世に存在することさえ知らなかった。」
(東野圭吾著『容疑者Xの献身』より)


高校の数学教師・石神哲哉(西川浩幸)は、
ある夜、不審な物音を聞く。
アパートの隣室に住む花岡靖子(西牟田 恵)の部屋で
何かが起きたらしい。石神は靖子の部屋のドアをノックする……。

そして、
帝都大学理学部物理学科准教授・湯川学(岡田達也)のもとに
友人でもある警視庁捜査一課刑事・草薙俊平(斎藤 歩)が
部下の岸谷由紀夫(筒井俊作)と共に現れる。
彼らが担当する、旧江戸川河川敷で発見された
男性の変死体についての捜査に、
「ガリレオ先生」の力を借りにやってきたのだった。
話の中、湯川は靖子の隣室に住む男の名前を聞いて目を見張る。
石神哲哉。それは湯川の大学時代の友人。
湯川をして「天才」と言わしめる
最高の頭脳を持つ男だった……。
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今回は、第6回本格ミステリ大賞、第134回直木賞をはじめ
数々の賞を獲得し、また2008年、前年に放映された
TVシリーズを引き継ぐかたちの劇場版が公開され
あまつさえそのDVDがこの3月に発売されたばかりという
超人気作が原作となっています。

普段演劇または小説を観たり読んだりすることの少ない人ですら
そのタイトルは知っているという有名作。

公式に舞台化が発表されるより前に
テレビシリーズにはまり、
劇場版、原作ともに、観て、読んで楽しんだ作品だけに
正直、かなりの不安と期待をもって待っていました。

本当は、千秋楽しか行かないつもりにしていたのを
やっぱり気になって、我慢できなくて初日を観劇し、
そしてその日のうちに
このブログライターに応募していました。


実際に観て、わたしが感じたのは

この、ラストに至る終盤を生で観られて
本当に、よかった。

ということでした。

そこには、石神がいました。
あの慟哭を聴くために、私は足を運んでいるのかもしれません。
そして、湯川。友人を想う、少し感情的で
でも理性的な准教授が、彼と対峙する場面も、好きです。

ときにほっとした空気をくれる、刑事たちの場面も好きです。

普段からキャラメルボックスを観ている私からすれば
今作はいつもとは違う、重い雰囲気の作品です。
でも、映画を観、原作を読んだ私からすれば、
観てみたかったものがそこにある、と感じるものでした。

エンターテインメントに傾斜した劇場版よりも
もっとずっと、原作に近い世界でした。

今作には「ガリレオシリーズ」の主役である湯川だけではなく
石神や、靖子、靖子の娘の美里。
警察側の草薙、間宮、岸谷といったさまざまな人物が登場します。
そして、それぞれの立場、考え方、生き方で、そこに居ます。

なので…
どの人物に、物語のどの部分に着目するかによって
どの人物のこころに寄り添おうとするかによって
まるで万華鏡のように、まったく違った感想が現れる
作品ではないかとも思いました。

私はこの物語は、ハッピーエンドではない、
でもある種しあわせな結末という捕らえ方をしました。

劇場版→原作→舞台という順番で
観たせいもあるかもしれません。

おそらく、私は石神と靖子、そして二人を俯瞰する
読者としての心情で観ているのだと思います。
「もう少しのなにか」がとどかないもどかしさ。
すべてを予め知った上で観ていたから、
どちらの心にも添おうとしてしまう。
終盤はこらえようとしても
涙を抑えることができませんでした。

上演時間は、2時間と15分。
キャラメルにしては少し長いけれど
むしろ、じっと観ている間は長さを感じないくらいでした。
でも、とても疲れました。
知らずのうちに幾人もの心情を追おうとしてしまい
ずっと、こころを研ぎ澄ましているのかもしれません。


楽しいだけの話では、決してありません。
しかし、全編暗いだけでもなく、随所に、
いわゆる「キャラメルボックスらしい」
ゆるい笑いも織り交ぜられています。

正直、今回はどうも笑いのツボが他の方とずれているらしく
今回まで2回観て、周囲で笑い声はあがるのに
どうしても、なんで他の方が笑っているのか
まったく理解できない箇所もいくつかあったりするのですが

でも、終盤の靖子の表情と。そしてなによりラストを。
できたら生で、観てほしいと思います。
個人的には、上手側からの眺めが大好きです。


神戸は4/26(日)までオリエンタル劇場にて。
その後は
東京のサンシャイン劇場にて
4/30(木)~5/24(日)まで
上演されています。

相変わらず土日は満員だろうと思われますが
どうやら東京公演のGWあたりは、まだかなり余裕があるとか…。

好き嫌いの分かれる作品ではあると思いますが
できれば、それは誰かの感想ではなく、
ご自分の目で、耳で確かめてください。

この話が好きになれるかもしれない人には、
できるだけ見逃してほしくない作品です。
今作はほんとに好きすぎてどれだけでも語れそうですが…
ひとまず、各キャスト感想を。

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・石神哲哉(西川浩幸)
…高校の数学教師。湯川の友人。

私が、観たかった石神さんでした。
寡黙で、実直で。そして「天才」。
このひとの考え方を
本当の意味で理解することは叶わないだろうけれど
でもどうか、しあわせをつかんでほしいひとです。
最後の慟哭は、生の舞台であるがために
よりいっそう深くこころに刺さりました。

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・湯川 学(岡田達也)
…帝都大学理工学部物理学科准教授。「ガリレオ」先生。

直前まで、恋する男性を並行して演じておられたのに
今回は、理知的な准教授。
その切り替わりに驚かされます。
草薙刑事とのやりとりの場面が楽しくて好きです。
あとはやはり!白衣に眼鏡!!これだけでもやられそうでした…。

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・花岡靖子(西牟田 恵)
…石神の隣人で弁当屋の店員。娘の美里と二人暮らし。

西牟田さんがいなかったら、
この作品は間違いなく成り立たないように思います。
ふとした表情が、しぐさが。
靖子を、生きた女性にしています。
特に、真相を知らされる場面のあの表情!!!!
2回観て、2回とも下手側だったことをしあわせに思います。

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・草薙俊平(斎藤 歩)
…湯川の大学時代からの友人で、警視庁捜査一課の刑事。

初日は、結構すごい勢いでかんだり間違えたりされていたので
どきどきしていましたが
2回目に観たときは、それほどでもなくて、
草薙さんの親しみやすさや、湯川さんとのやりとりなんかを
ゆっくりと楽しむことができました。
間宮さんとのやりとりも大好きです!!
今作のムードメーカーです。

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・間宮隆一(川原和久)
…警視庁捜査一課刑事で、草薙の所属する班の班長。

出てくるだけで刑事!と思ってしまうのは、
某シリーズの刷り込みでしょうか…。でも大好きな方なのです。
なによりも、キャラメルを知るきっかけの作品で
好きになった方のひとり。
当時はまだそんなこと知らなかったですけれど。
今回は班長ということもあり、草薙、岸谷の両刑事を統括しつつ
時にはまぜっかえしたりしながら、
場を引き締めていらっしゃいます。
岸谷さんの某発言直後の裏をとれ!!の場面が大好きです笑

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・岸谷由紀夫(筒井俊作)
…警視庁捜査一課刑事、草薙の後輩。

花岡母娘に同情的な、現場の捜査員ですが
客演のお二方に囲まれつつの場面も多く、
すごく新鮮な感じがします。

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・花岡美里(實川貴美子)
…靖子の娘で、中学2年生。

主演のお二方と、客演のお三方はもちろんのことですが
今回、それに次いで好きなのは、この美里でした。
理不尽さに耐えたり、靖子を問い詰めたり。
西牟田さんに触発される部分も、あるのかもしれませんが
今までにない實川さんが観られた気がします。

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・工藤邦明(三浦 剛)
…靖子のホステス時代のなじみ客。事件をきっかけに再会。

さわやか社長さんです。一途に、靖子を想う男性。
もう少し早く再会できていたら、富樫から
彼女を守れたような気がして、そこが残念でなりません…。
少しだけ、以前の役とかぶってしまう。
もう少し、違うアプローチで観たかった、かも。

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・富樫慎二(石原善暢)
…靖子の元夫。なにかとつきまとっている。

いやらしい役を、いやらしく演じています。
あれなら、確かに早くたたき出してしまいたくなる…。
そして、この富樫役以外にもいろいろの役で
石原さんは出演されているのですが
結構振り幅が広い方だと思いました。
乳離れしない学生役にいちばんびっくりしました笑

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・米沢小夜子(大森美紀子)
…靖子がつとめる「べんてん亭」の店長。
以前靖子がつとめていたクラブの元雇われママ。

数ある「息抜きポイント」の一つ。べんてん亭の陽気な店長さん。
初日のときは、ちょっと大げさすぎて浮いているようにも
思ってしまったけれど、
2回目はそれほどには気にはなりませんでした。
なにより、中盤以降になってくると、
べんてん亭の「日常」の場面にほっとします。
その笑顔に、安らぎます。

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・金子芹香(前田 綾)
…べんてん亭のバイトで、大学生。

この子もまた、息抜きポイントのひとつ。
ゆるーい感じの大学生さん。
なんともいえないテンポで、張り詰めた空気を
うまいこと抜いてくれるような気がします。
綾さんも、いくつかでてくる色モノキャラも
合わせて演じてらっしゃるのですが
私は個人的に、自転車の持ち主のくるんとした
髪型が気になっています。
距離があっていまいちよく見えてないのです…。

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そして、ここからは質疑応答の様子です。
ネタバレになる内容だらけですので、
くれぐれもご注意ください。

ようやく質疑応答は文字におこせました~

ゲスト:成井 豊さん、岡田達也さん、西川浩幸さん、加藤昌史さん

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【質問】
今回『容疑者Xの献身』は読んで知っていて
自分の読んだ印象と、今日観た印象が違いました。
成井さんは、原作を読んで作られるときというのは
インスピレーションを大事にされるのか
それとも、何回も読んであたためていかれるのと
どちらですか。

成井さん:
両方大事にするというか
特に今回は映画が先にあって、
そして映画の出来がかなりよろしいために
当初の予定と違ったというか…。

個人的に
『クロノス方式』と『スキップ方式』と呼んでいるが
翻案してしまう『クロノス方式』
原作のままやっちゃう『スキップ方式』
どちらにするか決めかねていた。

ところが映画を観てみて
『クロノス方式』ではあれ以上できないと思ったために
『スキップ方式』を選んだ。

演劇の演出の手法で言うと
『クロノス方式』を演出するときはスタニフラフスキーで、
『スキップ方式』を演出するときはブレヒトで演出する。
これは、リアリズムなのか
メタフィクションなのかということ。

今回のお芝居でも、小説を持っている。
だから、『容疑者Xの献身』という小説を立体化する、ということではない。
そうではなく、
「あの11人のメンバーがあのテキストを芝居にする」
という、全体が劇中劇の構造をしている。

リアリズムでやったら、あの映画以上のものは
つくれないだろうと考えて
キャラメルのメンバー+3人というあのカンパニーが
あのテキストを芝居にしたらどうなるか?
ということをやったほうがいいと考えた。

『スキップ』も同じ方式で、あとは『賢治島探検記』
『僕の大好きなぺリクリーズ』と
私のやっているブレヒト方式はこの4本。
これが映画との一番の差別化になる。

他の言い方をすると
「何を描くか?」ということはもう映画以上はできないから
「何を」はもう気にしない。原作のまま。
「どう描くか?」だけを気にしよう。そう考えてやってみた。
でも、小説を一番最初に読んだ時のインスピレーションというか
大感動したのを一番大事にすべきだと思って
パンフレットやトーク&フォトブックなどでも
書くかなにかしたのですが
映画を観てみて唯一の不満があって、
映画はよかったので悪口は言いませんが
僕は1回目観たときは泣けなかった。
2回目に観たときは泣いたのだけど。
あんなにいい映画だったのに
どうして泣けないのだろうと思ったら
クライマックス付近の原作の地の文
僕はそこで泣いていた。

回想シーンで岡田達也が本を読んで語っているところ。
「世界という座標の中に、
あの二人が存在するということ自体が奇跡だと思えた」
と語っているところ。

あの辺りの東野さんの地の文で僕はぽろぽろ泣いていて
それが映画だとない。
なので、あれを舞台上で口にさせたかった。
それは、一番最初に読んだ時のインスピレーションというか
あそこが良かったんだ、
これを芝居にすることが目標なんだと考えた。

…すごい長い答えになってしまった。
こういう感じで、作っています。

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成井さんが話している間に、
岡田達也さん、加藤昌史さん登場。

劇団員だけなので写真撮影&掲載OKという連絡が。
岡田さんから、「悪用だけはしないで」とひとこと。
ちなみに、ブログに載ったらまずい方は
ぼかしてくださるそうです笑

あちこちでカメラ撮影はじまる。

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【質問】
今回、2時間15分という上演時間。
『スキップ』のときは
いかに2時間きるかということをやってらしたのが
今回、休憩なしで2時間15分というのは
キャラメルの中で一番長いのではと思うが
上演時間を削らなかった理由と
冒頭にダンスシーンがない理由を教えてほしい。

成井さん:
ダンスは、無理ですね。(一同笑い)
ちょっと合わないと思います。
石神や富樫が踊るって考えたら…
今回、これを舞台にと考えた時点で
ダンスシーンというのはまったく考えなかった。

上演時間に関しては、本日このステージは2時間12分18秒。
初日から3ステージいずれも12分台。
製作総指揮が2時間15分と断言して
キャラメランドに書いてしまいましたが
修正してください。

加藤さん:
前説が、3分前から始まるんです。
実際は、明るくなるのが15分。そういう風にアナウンスしてます。

成井さん:
9時15分に終演するのは事実なんですね。
で、上演時間は、これでもカットした。

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ここで西川浩幸さん登場。

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成井さん:
台本の長さ自体は『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』と
まったく同じ。だから2時間だと思ったのに
読み合わせが2時間8分かかってしまって
最初の通し稽古が2時間20分くらいだっけ?
(と西川さん、岡田さんを見る。んー??という反応)

西川さん:(たぶん?)
それどころの騒ぎじゃない

加藤さん:
22分

成井さん:
で、台本もカットしたけれど、
最大の理由として
『スキップ』はさまざまなエピソードだったので
そのエピソードを除くということはできたけれど
ミステリというのは伏線がほんとうに大事で
これ以上削りようがないんじゃないかと思う。

たとえば、お弁当屋さんのシーンを全部まじめにしなさいとか
ウェイターやウェイトレスは全部黙ってなさいとか
そういう手もないことはないが
そうするとほんとうにドツボの芝居、真っ赤な芝居になるので…

理由はこの二つ。
ミステリだから切りようがなかった。
あと、笑いがなくなるとほんとうに厳しい。
その2点で、どうしたものだろうと思っていたら
製作総指揮が「これでいい」と言ってくれた。

加藤さん:
長くは感じない。
僕は、2時間22分の時も「あ、2時間過ぎてるんだ」くらいだったので。
皆さんも大丈夫だと勝手に思いました!

成井さん:
でもまだもうちょっと短くなるように
努力はします。


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【質問】
劇団員の方がたくさんいらっしゃるけれど
どのようなかたちでキャスティングされますか?
イメージで合わせるのか、事前にスケジュールがあって
合わせるのですか。

成井さん:
原案を私が考えて、何人か相談にのってもらう。西川くんもそう。
岡田達也もそう。加藤はもちろん、仲村和生とか坂口とか
岡田さつきとか。そういう人たちに相談にのってもらう中で
割と始めの頃に西川が
「僕がやってみてもいいですか」みたいなことを言って。
「やりたーい!!」みたいなことを言ったわけではないのですけれど
どうもやりたそうな顔で、でもやりたいって言ったわけだよね?

西川さん:
もし、やるなら。やらせてもらえてのるなら。
この作品に関わらせてもらうなら、石神がやってみたいというふうに。

加藤さん:
なんか、取材とかによると、西川がたっての希望で、みたいな…

西川さん:
それは、成井さんがものすごく強調して言ってる。

成井さん:
ほんとうにね、24年で初めてなので、強調してもいいんじゃないですか。
で、キャスティングですよね。
今回のは、西川が石神に立候補したというのを強調しましたが
あと、前田綾と大森美紀子も、
「この作品にぜひとも出たい」といって立候補しまして。
「役はなんでもいいから出させてほしい」と。
で、女性の役が…ないというか。たとえば、前田がやった
金子芹香という役は、原作では、名前が一瞬出るだけ。
「アルバイトの金子」と名前がでてくるだけで一切発言も何もない。
前田綾が出たいというから無理やり。
女性は当初は靖子と美里二人だけ。
他はたぶん、柄で選んでます。
アンケートで、「三浦と石原が逆だったほうがいいんじゃないか」と
いうのがあった。どう思いますかね?

加藤さん:
いや、ありえないですね。あんなにしゃべれないです。

成井さん:
僕はほんとう、このキャスティングは気に入ってるんですけどね。
もちろん選択肢はいま役者が35人いるので
その中から選ばなければいけない。
もちろん、いなかった場合は客演がありうるわけですけれども
でも、うちは劇団としてはかなり層が厚く
キャスティングで不満があることは…
以前はありましたが、今はほとんどないです。
またそうでなければ再演しようとも思わない。
この作品に関しても、仮キャスティングをしてみて、
いけそうだなというところで
GOサインを出すというふうにしています。
で、基本はやっぱり本人の意欲と柄ですね。
こんなものでいいでしょうか。
ぜひ、役者にも聞いてあげてください。

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【質問】
岡田さんに聞いてみたいのですが
前回のハーフタイムがまだ東京の本番がやられている時に
容疑者の稽古が始まったが、想い出に残る苦労などはありましたか?

岡田さん:
いや、スケジュールが立て込むことは、
よくある…といっては何ですがあることです。
今回も、公演の昼間は稽古場へ行って
夜は本番をやってとか。
マチネだったら、終わったら稽古場へ行ってとか。
出来る限り稽古場に顔を出すようにして。
土曜日とかは無理でしたけれど、それ以外はなるべく
顔を出すようにして、普通にやってました。

加藤さん:
あと新宿FACEの楽屋で左東広之と…

岡田さん:
本読みを…。ハーフタイムは2本立てだったじゃないですか。
だから出番じゃないときには、左東をつかまえて
ちょっと台詞の相手役をしてもらってました。
ちょっとご迷惑を…。

加藤さん:
あと、左東がちょっと石神狙ってます。

岡田さん:
そんな感じでやってました。

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【質問】
(役者の)お二方にお聞きしたいけれど
今回、今までのキャラメルの中で一番長い舞台ということで
舞台の長さといったものでプレッシャーがかかったりしますか?

西川さん:
実際、たぶんみんなそうだと思うんですけれど
やってると、まったく長く感じなくて
結構袖とか裏でも緊張感をもっていないとやれないので。
いろんな芝居以外の分とか、転換とかそういうのも含めて。

僕は、長さは逆にまったく感じないですね。
ただ、自分の出てないシーンは、すごく集中して
今までになく聴いていますね。
なぜかというと、僕の場合は、自分のことを
いろんな人がしゃべってくれたり語ってくれたりしていて。
特に湯川のシーンとかは一番良く聴いてますね。
「湯川の物語なんだな」と思いながら観ています。

岡田さん:
僕は、「石神の物語なんだなあ」と…。
上演時間の長さはほんとうにその通りで。
やっている側はそんなに感じ…このくらいの
ランニングタイムだったら長いなあとは思わないですね。
それよりは、後半の自分のしゃべる台詞が長いなあと。
ほんっとにこれはもう間違えないようにちゃんとしゃべろうと…
それがどきどきしています。

成井さん:
すんごいスリリングですよ。
ロレらないように、忘れないようにというのが…
手に汗握ってます。
岡田達也と斎藤さんのシーンなんてほんとうに手に汗握ってます。

岡田さん:
すいませんほんとに。なんとか、がんばってます。

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どのタイミングの写真かはわかりませんが
こんなような雰囲気で話されていました。
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【質問】
今回、ランドなどを見ていて、
音楽で苦労されてるなというのがあったが
実際にできあがったものが意外とシンプルで
そこらへんはどういった感じだったのでしょう。

加藤さん:
シンプル…だから苦労したんです。
「どうすんべかな?」というのから始まって。

簡単に言うと、成井さんと最初に打ち合わせたときに
靖子がピアノ、石神がチェロ、湯川がヴァイオリン、
というので作っていきましょうかと。
で、男が出てくるところはギターにしましょうかという
ざくっとした打ち合わせで
まず最初に木原健太郎さんというピアノの方に
発注…というかお願いしたんですが
そうしたら木原さんが思い入れすぎてしまって
「脚本を100回読んだ」と言っていて
で、「台本も100回読んだ」と言っていて
思い入れすぎてしまって濃い曲ができてきちゃって。

劇伴みたいなといってわかりますか?
映画のサントラみたいな…雰囲気ものの曲ができてきて
「違うんですよ、木原さん」というところから…
そういうこっち側の、この人たち(演出、役者側)の
知らないところでのやりとりがあって。
シーンにあてて作ってしまう。
それをやっているとミュージシャンの方も
楽しいのかわからないのですけれど。
「そうじゃなくて、木原さんの曲が欲しいんです。
メロディが欲しいんです」という打ち合わせをこっちでして、
できてきたのを成井さんとかに渡して聴いてもらったりとか。
それで足りなくなってしまって、選曲もやらなきゃと。
で、探したんですけれど。
あれば作ってないんですよ。
ないから作っていたのであって、で、ないところを
ほじくり返して最後渡したのですけれど。
でもちょっと新しいジャンルに出逢って、
新しい鉱脈は見つけたんですけれど
結局、そこの鉱脈の曲は使いませんでした。

まず、「歌は使わない」と僕は心の中で決めていて
成井さんは使うかもしれないと
ラストは歌かもしれないというのがあったんですけれど。
ここまできて人の声を使ってたまるかと。
稽古を観た時に、彼らの台詞を
聴きたくてしょうがなかったんです。僕が。
僕が聴きたいから、台詞の邪魔をする音楽は1曲もかけたくない。
みんなが音楽を覚えてないくらいで終わりたいと思っていた。
台詞がよく聞こえる曲ということで
メロディが立ちすぎていてもいけないし
アレンジが凝りすぎていてもいけないし
人の声が入ってたら、そっちに耳がいっちゃうんじゃないかとか
そういう気の遣いかたをして選曲というか曲を集めて
成井さんに渡すという作業をしていました。

今までこういう意味での苦労はない。
今まではかっこいい曲を集めていけばよかったんですが
今回はみんなの邪魔にならない曲という
今までやったことのないことをやっていました。

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【質問】
『最愛』(劇場版主題歌)を使わなかったのは、そのあたりですか?

加藤さん:
僕は、映画を観ていないです。初日が開くまで観ないと決めていて。
「ガリレオシリーズ」大好きなので。
このテレビ見ない僕が、ガリレオシリーズは全部見ていた。
で、『容疑者Xの献身』やるんだ、とわかったときから見なくなりました。
一切、映画の方の情報は、耳にいれないようにして。
みなさんの気持ちが、よくわかりました。

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【質問】
今回原作もTVシリーズも全部見ていなくて
今日初めて観ました。
主人公たちよりもひっかかったのが
(靖子の)娘の美里さんがト書きを読むところ。
今回、いろんな役者さんがいろんな所でト書きを読むが
読んだ後に回り舞台を回したり
そんなところが印象に残ってしまって。
(美里が読んだ)そこから後が、クライマックスに向かってなだれこむ、
伏線のように感じてしまった。
ト書きを、どのキャストの方が読むのか
もちろん考えて振られているとは思いますが
そこで美里さんに読んでもらったというのは
何か意味があってのことですか?

成井さん:
そうですね。
ただ、語り手をやっている人が
イコールなのか、ニアリィイコールなのかというのは微妙なところで、
『容疑者Ⅹの献身』という本を持ってしまっているので
美里そのものではないですよね。
たとえば、男女交互にしようとか
どこで読むかというのは、
もう美術的センスの問題で
ポイントを決めたりとかというふうに
必ずしも意味だけではない。
美里に関しては、意味があります。
湯川が、頭と真ん中と最後で読んでいるのにも意味がありますし。
それから、オープニングからすぐ、
三浦が…その工藤が、富樫と靖子の過去を語るというのも
工藤だったら知っているはずだから、とか。
いくつか意味のあるところはありますね。
全部じゃないです。

加藤さん:
あと、盆を回しているのも
ちゃんと、ある程度話題に出ている人がやっているような。

成井さん:
それは偶然じゃないですか?
誰が盆を回すかに関してはそんなことは…

加藤さん:
ないですか。
刑事たちの…

成井さん:
いや、単に重いから、男中心で行こうという。

加藤さん:
湯川が、石神の話をしているところに
石神がこう押しているのとかは
やな感じの演出だなこれと…。
偶然だって。

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【質問】
3人のゲストの方が入ったことによって
いろんなことが起こると思うのですが
そのあたりでエピソードがあれば教えてください。

加藤さん:
斎藤さんがね。

岡田さん:
斎藤さんは、僕が2年前に共演させていただいて
非常に…本当に、一緒にやって面白かったわけで
すごく刺激をもらって
それで、斎藤さんは
北海道で劇団をひとつ任されてまして
作・演出もされて、しかも作曲もできる方で
ヴァイオリンも弾ける…ああ見えて。(一同どよめく笑)
それこそ、チェロも弾けますし、そういう人なんですけれど、
劇中で自分の曲を入れたりして。
とてもハートウォーミングな
すばらしい舞台だったんですけれど
ああ、繊細な人なんだなあと思って。
その割には、大雑把なところも持ち合わせていて。
そういう両極な人で。
もしキャラメルに出演することがあったら
いい意味でも悪い意味でも
引っ掻き回してくれるだろうなって思ってたんですけれど
まさかこんなに早く実現すると思わなくて
自分が一番びっくりしているんですけれど。
歩さんと一緒に出来たのは、非常に嬉しいなと
僕は個人的には思っています。
3人語っちゃうと長くなるので…

加藤さん:
じゃあ西牟田さんの件は西川くん。

西川さん:
もともとこの作品は
いつもの劇団のカラーじゃない感じでやりたいということで、
3人呼びたいっていうことがまずあって
みんなでいろんな方を検討していて
西牟田さんに関しては僕が言い出したんですけれど
『錦繍』という、東京でしかやらなかったですが
ジョン・ケアードさんの作品をやった時に
ちょっと辛い女性をやってらっしゃいまして
それがもう本当にすばらしかったんで
あ、靖子だったら、美しさとかかなしさとか…
かなしさっていうのは哀愁の哀の哀しさですけれど
ばっちり、表現してくださる女優さんだなあと思ったんで
ぜひ入れてほしいなあと思って。
まさに…

岡田さん:
ぴったりだと思います、西牟田さん。

西川さん:
まあ、大変な役なんですけれど。
お3人ともベテランの方なので
安心して僕らはやれてますね。

岡田さん:
川原さんは…もう、しゃべれば刑事じゃないですか。
(一同笑い)
あんな人めずらしいですよ。口を開けば刑事って…。

西川さん:
僕らはは普段、稽古してるじゃないですか。
で、日曜日は休みなんですよ。
そこで日曜日に何をしてるかというと
『相棒』の舞台挨拶に全国回ってるんですよ。
だから、一週間全部、刑事なんですよ。
(一同大笑い)

岡田さん:
月曜日、稽古を再開するたびに
必ずその土地土地のお土産を持ってきてくださるんです。

西川さん:
「お土産部です」と言って。

加藤さん:
流れ上、川原さんの話は成井さんから聞こうと思ったけど…

成井さん:
頼りになりましたね。取調室の椅子はどんな椅子でしょう?とか
(一同笑い)川原さんに聞くんですよ。(さらに笑い)
川原さんが「うちはこうですよ」と…

西川さん:
「うちの署では…」と

成井さん:
そうそう。
でも、あの人は長いからですかね。
刑事物のTVドラマはほとんど観て、
あと、警察関係のニュースもなるべく見るようにして
刑事の実態っていうものはすごく調べてますね。
だから、何を質問しても答えられるんですよ。
「あれはああだった。でも今の警察はこうらしいよ」みたいな。
字引でした。

加藤さん:
でもこの間川原さん、
「成井さん、俺のこと刑事だと思ってるんだよな」って言ってました。
(一同大笑い)

岡田さん:
(ぽそっと)みんなそう思ってますよ。

成井さん:
だってほんと詳しいんだもの。
あと、斎藤さんは、作・演出をなさっている方だから、
演出上、稽古しながら
「ここはこうじゃないか」ということは
いっぱい言ってくれたよね。
演出助手というか、共同演出がもう一人いるような感じで
非常に助かりました。
西牟田さんは、キツイ役なのにね。
もうラストシーンの練習をするのが申し訳なくて
2回やってくれってなかなか…いや、やらせたんですけれど。
でも、終始明るくやってくれましたね。
あと、うちの稽古って必ず
ストレッチやって筋トレやってゲームやってっていうのが
毎日必ずあるんですけれど
川原さん47歳、私と同じ歳。がんばってやってましたね。
ちゃんと、文句も言わずにやってましたよ。
ゲームとかへたくそですけれどね。
こんな感じでいいでしょうか。
刺激はすごくもらってます。

加藤さん:
だって、西牟田さんは
成井豊以外の日本の演出家は全部やってるんじゃないかと…

成井さん:
全部じゃないです、ほとんどです。

加藤さん:
ということで現在21時59分。22時には出ないといけません。
記念撮影します。


いつの間にやらのタイムアップで
最後は「いーしーがーみー」で撮影。

もりだくさんで
それでも聞きたいことはちょっともれちゃったのですが
微妙にかぶった質問は出ていたので
それはそれでよし!
…東京で質問される方、誰か「どうしてあの舞台装置なのか」
を聞いてほしいなあ。。

ともかく。これにて記事完全終了です。
もっと手早く上手にまとめたいなあ…。
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